この記事では、音声中心で育ててきた力を「読む・書く」へどう丁寧に橋渡ししていくか、そしてその橋渡しを支えるALTとの連携について見ていきます。
「不適切な指導」を避けるという原則
指導要領解説は、音声で十分に慣れ親しんでいない語をいきなり読ませたり、綴りを書かせたりする指導を「不適切な指導」だと明確に述べています。
ドリル的な反復練習だけで文字を覚えさせようとする指導は、この原則に反します。文字や語順を指導する際は、デジタル教材などを活用して視覚的に示し、児童の学習負担を軽減することが求められています。

この原則を日々の授業に落とし込むなら、新しい単元に入る際、必ず
「この表現は、もう十分に声に出して使えているか」
を自分に問いかける習慣を持つことが出発点になります。
単元計画の中に、
・音声だけで扱う時間
・音声と文字を結びつける時間
・文字だけで扱う時間
を意図的に分けて配置し、この順番を絶対に逆にしないことが、5・6年生の「読む・書く」指導全体を貫く鉄則です。

担任がマネジメントするティーム・ティーチング
指導要領解説では、児童をよく理解している学級担任(または外国語担当教員)が授業をマネジメントし、ALTや地域人材と連携して生きた英語に触れる機会を確保することが求められています。
ここでのポイントは、ALTは「英語のネイティブスピーカー」としてゲスト的に招くのではなく、担任が主導する授業設計の中に位置づけられた、指導チームの一員だという点です。

音声から文字への橋渡しの場面でも、ALTの役割は明確にできます。
例えば新出表現を導入する際、ALTには生きた発音のモデルを担ってもらい、担任は児童の理解度を見ながら文字カードを提示するタイミングを図る、というように役割を分担すると、それぞれの強みを生かせます。
単元計画を立てる段階でALTと事前に打ち合わせ、
「今日はどの表現を、どの順番で、どちらが担当するか」
を共有しておくことが、質の高いティーム・ティーチングの前提になります。
評価のポイント
音声から文字への移行は、指導者の配慮そのものよりも、児童がどう文字に向き合っているかを通して評価します。
知識・技能
音声で十分に慣れ親しんだ語句が、文字と結びついて理解できているか。文字を見て「聞いたことがある」と反応できるかを確認します。
思考・判断・表現
ALTとのやり取りの中で、生きた英語に対して臆せず反応しようとしているか。ALTとの直接のやり取り場面での様子を見取ります。
主体的に学習に取り組む態度
文字を扱う活動に、抵抗感なく前向きに取り組んでいるか。書き写しや読みの活動への取り組みの様子を評価します。
次回は最終回、他教科との連携、個に応じた指導、短時間学習について見ていきます。お楽しみに。











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