【小学5年生】音声指導の中身、リズム・強勢・イントネーションまで

この記事では、それらの土台となる「言語材料」に目を向けます。まずは音声です。
5年生からは、これまでの「聞いて真似る」段階を超えて、音声の仕組みそのものへの気づきが求められるようになります。

音声指導の5つの要素

指導要領解説が示す音声の指導内容は5つに整理できます。

  1. 標準的な発音で、日本語にない子音や母音の特徴に気付かせること
  2. 音の変化で、”want you”が/tʃ/になるような、語と語がつながることで起きる音の変化に触れさせること
  3. 強勢で、語・句・文の中で重要な情報が強く発音される位置を理解させること
  4. イントネーションで、平叙文・命令文・wh疑問文の下降調、yes-no疑問文や列挙の上昇調を指導すること
  5. 文の区切りで、意味のまとまりごとに適切に区切って聞いたり話したりする感覚を育てること

です。

3・4年生の音声指導が「日本語にない音に慣れる」という受容的な段階だったのに対し、5年生ではこれらの要素を「気付かせ、理解させる」という、一段踏み込んだ指導が求められます。

ただし、これは文法用語を教え込むという意味ではありません。あくまで、たくさんの音声に触れる中で、児童自身が「あ、質問するときは語尾が上がるんだ」と気付いていく、体験的な理解が目指されています。

強勢とイントネーションを「見える化」する

強勢の指導では、文の中で特に伝えたい情報を強く読む、という体験を、実際の場面と結びつけて行うのが効果的です。

例えば”I like SOCCER.”と”I LIKE soccer.”を教師が読み分けて聞かせ、「どちらが”好きな物”を強調していて、どちらが”好きという気持ち”を強調しているか」を考えさせる活動が挙げられます。

黒板に文を書き、強く読む部分に丸をつけたり、大きな文字で書いたりして視覚的に示すと、耳だけでは気付きにくい強勢の位置が捉えやすくなります。

イントネーションの指導では、矢印を使った「見える化」が有効です。

平叙文の語尾に下向き矢印、yes-no疑問文の語尾に上向き矢印を書き添えたカードを使い、教師の発話に合わせて児童が矢印カードを掲げる、という活動にすると、聞きながら体でイントネーションを感じ取ることができます。

列挙(“apples, oranges, and bananas”のような)の際、最後の項目の前だけ下がるという特徴も、買い物リストを読み上げる活動などを通して自然に触れさせたいポイントです。

評価のポイント

音声の指導内容は、単独の知識としてではなく、聞く・話す活動全体を通して評価します。

知識・技能:日本語にない音や、語と語の連結による音の変化に気付いているか。発音を真似ようとする様子や、聞き分けクイズへの反応から確認します。

思考・判断・表現:伝えたい内容に応じて、強勢の位置を意識しながら話そうとしているか。やり取りや発表の中での話し方の工夫を見取ります。

主体的に学習に取り組む態度:イントネーションや区切りを意識しながら、聞いたり話したりしようとしているか。継続的な音読やチャンツ活動への取り組み方から評価します。

次回は、文字・語彙・文構造という、5年生が扱う言語材料の全体像を見ていきます。お楽しみに。

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