前回、「第二言語習得論」は「人がどう言語を身につけるか」を研究する分野だとお伝えしました。今回は、その研究の中で大きく変わった「間違いの見方」についてお話しします。
昔は、「まねして覚える」という考え方が主流でした。この考え方では、子どもの間違いは「悪い癖」であり、すぐに直すべきものとされていました。

ところが1967年、ある研究者が子どもの「間違い」に注目しました。
間違いは失敗の証拠ではなく、「今どこまで理解が進んでいるか」を教えてくれるサインだ
と考え直したのです。これをきっかけに、研究の視点は「まねさせる指導法」から「頭の中で何が起きているか」に注目する考え方へと大きく変わっていきました。
例えば、子どもが”He have a pen.”と言ったとき、それは失敗ではなく「主語によって形が変わる」というルールに、まさに挑戦している最中だと考えられます。

もし間違いを見るたびに「違うよ」と直してばかりいたら、子どもは挑戦することが怖くなってしまいます。逆に「今ここに気づき始めているんだな」と捉えられれば、次にどんな声かけをすればいいかが見えてきます。
間違いは、指導のヒントを教えてくれる地図のようなものだと考えてみてください。実際、誤りをそのまま受け止めてから正しい形をさりげなく返すだけでも、子どもの発言する回数は変わってきます。
次回は、子どもの頭の中で実際にどんな順番で言葉が身についていくのか、4つのステップに分けて見ていきます。お楽しみに。











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