前回は、「気づき」を引き出す比べて見せる提示の工夫を見てきました。今回は、その気づきの土台となる「ちょうどいいレベル」の教材選びについて、指導要領の内容とあわせて見ていきます。
指導要領解説では、高学年で扱う語彙数の目安として600〜700語程度が示されています。この数字は、ただ「たくさん教えればいい」という意味ではありません。
むしろ、既に知っている言葉を土台に、少しずつ新しい言葉を積み重ねていく、というちょうどいいレベルの考え方と一致しています。
教材研究のとき、「この表現、今の子どもたちにとってちょうどいいレベルになっているか」と自問してみるだけで、活動の組み立て方が変わってきます。
既習の表現をゼロにして真新しい表現だけで固めるのではなく、知っている語彙の中に新しい一語を混ぜ込む、という発想が現実的です。

ここからは私の実践になりますが、新しい表現の導入の時に急に新出表現を提示しないように意識しています。
どういうことか。例えば、6年生 Unit2 My Daily Schedule の新出表現は、
I always wake up at 6 a.m.
真新しい表現だと思いがちですが、実は子どもたちはすでに知っています。使われ方が違うだけ。
4年生 Unit4 What time is it? の学習で、時間の表現もスケジュールの表現も学習していますよね!
なのでこの単元では、最初の私の発表の時にこんな会話をします。
ALT: What time is it?
MIY: It’s 6 a.m. It’s wake-up time.
4年生のチャンツと同じリズムで行ってみましょう。子どもたちは「懐かしい〜」と食いつきます。
その後のALTの発表では、今回の新出表現を活用します。
MIY: What time do you wake up?
ALT: I wake up at 6 a.m.
「What time」「wake-up」「6 a.m.」聞いたことある単語は表現が並ぶことで、子どもたちの中のハードルはぐんと下がります。
絵カードやジェスチャー、ICT教材は、この「ちょうどいいレベル」を実現する強い味方です。文字だけでは難しい表現も、視覚的な手がかりがあれば、子どもは意味を推測しながら理解を進められます。指導要領がICTの活用を勧めているのも、こうした理由と重なっています。

次回は、この「ちょうどいいレベル」の英語を、ALTとのやり取りの中でどう「意味交渉」の場に変えていくか、具体的に見ていきます。お楽しみに。











コメントを残す