この記事では、指導要領解説が特に強調する「相手に伝える目的を持った必然性のある書く活動」について、具体的なつくり方を見ていきます。
3つの具体例に共通する設計思想
指導要領解説は、目的のある書く活動の例として、
・理想の時間割の作成
・お気に入りの場所の紹介
・友達に送るメッセージカード
の3つを挙げています。
この3つに共通しているのは、「書いたものが、その後どう使われるか」が明確だという点です。

時間割は自分自身の願いの表明として、
場所の紹介は誰かに読んでもらうガイドとして、
メッセージカードは実際に手渡す贈り物として、
それぞれ書く行為の先に具体的な用途があります。
これは、ただ機械的に書き写す活動との決定的な違いです。
「書きなさい」と指示されたから書くのではなく、
「これを書けば、誰かが読んで反応してくれる」という実感があるからこそ、児童は書く内容そのものに意識を向けるようになります。
指導要領が繰り返し「不適切なドリル練習のみを避ける」と述べているのは、この目的意識の欠如した反復練習への警鐘だと読み取れます。
「読み手」を教室の外に置く工夫
メッセージカードの活動では、
実際にクラスの誕生日を迎える友達に渡す
という現実の場面を設定することが何より重要です。
架空の相手に向けて書かせるだけでは、目的意識は半分しか機能しません。可能であれば、他クラスとの交流や、来年度入学してくる新1年生へのメッセージなど、教室の外にいる読み手を想定した活動に発展させると、より本物のコミュニケーションに近づきます。

お気に入りの場所紹介では、
実際に地域のパンフレットやポスターの形式を真似て作成させ、教室や廊下に掲示する、
という活動にすると、書いたものが「誰かに読まれる」という状況を可視化できます。

理想の時間割づくりでは、書いた内容をペアで見せ合い、
“Why do you want Music on Monday?”
のように理由を尋ね合う活動にまで発展させると、書く活動が話す活動ともつながっていきます。

評価のポイント
目的のある書く活動では、正確さだけでなく、目的や相手に応じた書き方ができているかを見取ります。
知識・技能
例文やテンプレートを参考にしながら、自分の伝えたい内容を正しい語順・綴りで書けているか。作成した文章から確認します。
思考・判断・表現
読み手や目的を意識しながら、伝わりやすい内容を選んで書こうとしているか。メッセージカードや紹介文の内容から見取ります。
主体的に学習に取り組む態度
誰かに読んでもらうことを意識し、丁寧に仕上げようとしているか。活動への取り組み方や、完成度への意識を評価します。
次回は、中学校接続を見据えた指導と、ALTとの連携について見ていきます。お楽しみに。











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